コロナ禍の不動産市況 IZUMAI通信 Vol.153

2021.10.11

コロナ禍の不動産市況

 

 

不動産の価格というのは、1物2価どころか、4価も5価もあって分かりづらいのと、地価の調査に半年もかけるので、場所によってはタイムラグが生じ、実態とかけ離れてしまっているケースもあります。

 

 

公示地価、基準地価、相続税路線価、固定資産税路線価、これらに加えて4半期毎に国土交通省が発表する地価LOOKレポートがあり、そして実際の取引価格である実勢価格があります。

 

 

一般的な目安としては、相続税路線価は公示地価の8割程度、公示地価は実勢価格の9割程度と言われてますので、大まかに実勢価格を知りたい時は相続税路線価を0.8、0.9で割り戻すとだいたいの実勢価格が分かります。

 

 

コロナ前は、全国的に地価は低下傾向にありました。
それが昨年の初めに日本でコロナ患者が発生して以来、コロナの感染状況が地価に大きな影響を及ぼしています。

 

 

全国の地域ごとに見ると一律の傾向とは言えませんので、首都圏の不動産市況でご説明します。
ただ、大都市圏は大体首都圏と同じ傾向にあります。
また世界の主要都市も同じような傾向を辿っています。

 

 

コロナの初期段階では、未知の感染症に対する恐怖から不動産を買いたい、売りたいという意欲が減退して、
物件を見に行く人もほとんどいなくなり、新たな売り物件も出て来ない状況が続きました。
この状況が夏くらいまで続いて、不動産会社の中には窮地に陥ったところも少なくありませんでした。

 

 

ところが秋口、最初の波が落ち着いて来た頃から急に不動産を探す活発な動きが出て来たのです。
この活発になった最大の原因は、在宅勤務、テレワークの推進、普及です。

 

 

この働き方が定着するならと、都内に住んでいる人の中に別に通勤に便利な場所に拘る必要がないと考える人が増え、都内の狭い住宅環境でテレワークをやる場所を自宅に確保できず、結局カラオケボックスとか外の施設を使わなければならないなら、外に出ると感染リスクも高まるし、コストもかかることから、思い切って郊外に移り住んで広い大きな家で子供を育てるのも悪くないといった発想から郊外に戸建てを探す人が増えてきました。

 

 

この頃の郊外というのは、本当に遠隔なところで、千葉県でいうと勝浦、館山、南房総あたり、
神奈川だと熱海、湯河原、別荘地の軽井沢なども人気の的になってました。

 

 

また家探しの条件に必ず上位に来る駅近というワードも拘る人が少なくなったのも印象的でした。
この頃、このような動きをする人が増えてきたことで別荘地の価格が高騰始めましたが、
大きく地価変動に影響を及ぼすほどのインパクトは未だありませんでした。

 

 

その後、感染の波が2波、3波と波が大きくなりながら繰り返しているうち、だんだんコロナに対しての慣れが出てきたのか、在宅勤務を推進していた会社も出社を求めるようになったりで、家探しをしている人たちの郊外のイメージがどんどん東京に近づいて来ました。

 

 

この動きは地価に大きな影響を与え始めまして、東京近郊の都市の取引価格が上昇始めたのです。
元々中古の不動産を売りに出す時は、値引き交渉が入ることを前提に相場より若干高い価格で売り出す会社が多いのですが、その高い価格のまま売れてしまうことが増えて来ました。

 

 

こんな価格で売れるならと売り出し価格を更に上げて売り出されるケースが増え、どんどん価格が上昇していきました。
この背景にあるのが、在庫不足です。
買いたいという人が増えているのに売りに出ている物件、在庫が少ないため、買う方としては近くの売り出し物件と比較できず、また考えているうちに他に持って行かれるので、多少高いと思いながらも時間かけて考えていられず買ってしまうというケースが多いのです。

 

 

在庫不足というのは、マンションのデベロッパーや戸建ての建売り業者にも影響が出ており、安い価格で仕入れが出来ず、やむを得ず一般の人が買うような価格で仕入れをする業者も現れてきてます。

 

 

9/1時点の基準地価が先日発表になりましたが、東京近郊の都市が軒並み上がっているのが、確認できました。
その中で全国でトップクラスの上昇率を記録したのが、札幌郊外の北広島市です。
日本ハムの本拠地になる野球場を中心としたボールパークを建設しているところです。
札幌市への通勤エリアとなります。

 

 

またニューヨークでもロンドンでも同じような現象が起こってます。
ところがこれらの都市で最近、都市回帰の傾向が鮮明になってきており、ニューヨークの家賃は過去最高に上昇していますし、東京の中古マンションも15ヶ月連続で対年同月比で上昇を続けてます。

 

 

コロナの終息が見えてきた時に不動産の市況がどう変化するか見通せませんが、コロナの感染状況と密接に関連してくるのは間違いないと思います。
以前、首都圏の不動産価格は日経平均に連動しているとお伝えしましたが、このコロナ禍でバブル期以来の3万円を超え、実体経済とかけ離れた動きと言われておりますが、海外のファンドが本社ビルを手放す企業のビルを買い漁ったりして、不動産価格も日経平均に連動して上昇している傾向が現れて来ております。

 

 

ですので今は、平たく言えば売り時、売り手市場です。

 

 

売却を検討されている人がいましたら背中を押してあげてたくなります。
逆に買い時ではないので、購入を検討されているお客様がいたら、しばらく様子見した方がいいとお伝えしております。
住み替えの方は悩ましいのですが、自宅売却後、一時的に賃貸に入って時を待つということも一つの選択肢かもしれません。

 

 

原因も不明確な中、急激にコロナの感染者数が減少してきておりますが、今後もコロナの感染状況に応じて不動産の市況は変化していく考えられますので、コロナの感染状況と住宅ニーズの関係を今後も注視していきたいと思います。

 

 

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