認知症患者の契約行為 IZUMAI通信 Vol.137

2021.06.22

認知症患者の契約行為

 

 

高齢化の進む日本で65歳以上の高齢者が全人口に占める割合は2020年で28.7%になっており、
今後も増え続け2065年には38.4%になると言われております。

 

 

そして同時に増加しているのが、認知症と診断される高齢者です。

 

 

2012年には認知症患者数は、約460万人で高齢者人口の15%でした。
これが2025年になると5人に1人の20%になると予測されております。

 

 

最近アルツハイマーに効く薬が開発されたというニュースが話題に上りました。
特効薬ができれば認知症患者数の将来予測の伸びは急激に鈍化してくるかもしれませんが、
治療薬として世に登場してくるのは未だかなり先だと思います。

 

 

こういう状況の中、問題になるのが、意思能力に欠けている認知症患者の契約行為です。
認知症になったとしても決して契約行為ができない訳ではありませんが、
後に家族から契約の無効を訴えられるリスクがあります。

 

 

家族側としては、契約の当事者となった認知症の家族が契約当時に意思能力が欠けていたことを立証する責任があります。
認知症と診断され介護保険の認定を受けている場合、
裁判で契約当時に意思能力が無かったと判断され契約が無効になることが多いかと思いますが、
必ず無効になるかというとあくまでも裁判官の判断に因りますので、何とも言えません。
ですので、認知症かもしれないと思われる方と契約する必要がある場合は、将来的に契約が無効になるリスクがあることを認識した上で契約するかどうかを判断することが必要になります。

 

 

このようなリスクを避けたいのであれば、契約前に認知症患者に成年後見人を立ててもらい、
裁判所の許可を受けて契約を行うことです。

 

 

後見人は、任意後見人と法定後見人の2種類があります。
任意後見人は、認知症患者の意思能力が不十分になる前に本人の意思で後見人契約を結んでおき、
意思能力が不十分になった時点で効力が発動されるものです。

 

 

一方の法定後見人は、被後見人である認知症患者の意思能力が不十分になった後、家族や相続人が家庭裁判所に申請するものです。
法定後見人の選任については裁判所の判断で決められますので、家族が後見人になることができず、
裁判所の指定した弁護士や司法書士が選任されることもあります。

 

 

最近、不動産の売買契約を行う時に認知症の方が所有者になっているケースが増えて来ました。
相続対策として不動産の持分を親族に贈与するケースが増えていると思いますが、
今後ますます増える認知症患者が所有者である場合、また所有者が将来認知症になる可能性のある年齢に達している場合は、早めに対処しておかないと、いざ契約する必要が出てきた時に長い時間を要すことにもなり兼ねません。

 

 

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