気候変動と不動産 IZUMAI通信 Vol.157

2021.11.08

気候変動と不動産

 

 

今、COP26が地球温暖化対策を話し合う国連気候変動枠組条約に調印した国々が参加してイギリスのグラスゴーで行われています。
各国の首脳がスピーチした後、今後どのように会議が進められているかのかよく分かりませんが、
人類が100年後も生存することができる環境を維持するためになにができるのかを話し合う大変重要な会議であることは間違いありません。

 

 

このタイミングがもうラストチャンスと言う人も少なくなく、
気温上昇1.5°Cに抑える実効性ある施策が打ち出されるか注目したいところです。

 

 

温暖化が昨今の異常気象の原因であることを否定する人は流石に少なくなりましたが、
この異常気象は様々な方面に大きな影響を及ぼし、各分野で根本的な変化を生み出そうと試行錯誤が始まっております。

 

 

不動産についても集中豪雨による浸水被害、土砂災害、異常高温等が頻発することで
不動産としての価値が失われていく場所も出て来ることになると思いますし、
そもそも人が住むことが禁じられる場所も出て来ると思います。

 

 

異常気象による災害は、日本特有の問題ではなく世界各地が同様な災害に見舞われており、
世界的な問題と捉えられており、各国の叡智を集結して連携していくことが求められています。

 

 

元々海面以下の土地が国土の1/4も占めているオランダでは、異常気象の進行は国土の水没のリスクの高まりを意味しますので、他国に先立ち色々な対策を以前から行なってきました。

 

 

洪水が起きても都市を守り抜く「アムステルダムの防衛線」と呼ばれる要塞が築かれ、
洪水時に水を貯水しておく貯水施設を大規模に数多く設けていることで確実に対策の効果を挙げております。
0m地帯の多い東京や大阪ではオランダの対策が非常に参考になるだろうと思います。

 

 

日本では、土地探しに将来の災害リスクを考えて探されている人は意外にも少ないのが実態でありまして、
災害の危険度より駅からの距離、土地の形状、土地の面積の広さ、方位等を優先する人が多いように感じます。

 

 

需要があれば、開発する業者もそのニーズに応えるべく土地の開発を行い、行政も開発業者から開発申請を受けて、そのリスクを感じながらも開発を許してしまう構図があるように感じます。

 

 

明らかに危険度の高い河川流域近くの市街化調整区域を開発して分譲した土地が瞬く間に売れてしまうこともよく目にしますが、将来的にこのような土地でも安心して生活できる対策が施されないと、
売却が困難になったり、土地の価格として値上がりを期待できないどころか、活用することができない土地と化してしまう恐れもあります。

 

 

ですので、行政が開発許可を出した土地については、安心して住み続けられる対策の実行を期待したいのです。

 

 

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