世界的に物価が上昇し、各国の政府、中央銀行はその対策に追われてます。日本でも消費者物価が40年ぶりに4%台を記録して、様々な分野で混乱が生じてきております。
建築費も御多分に洩れず高騰が続いており、物件の価格に転嫁され新築の建物の価格は、鰻登りに上がってきました。
コロナ禍では、ウッドショックという状況に見舞われました。大都市に住んでいる人が相次いで郊外に移住することで戸建の建築ラッシュが各国で起こり、コロナによる物流の停滞と相まって木材の需要増、供給不足により、木材の価格が急騰しました。
そこにコロナ対策としての金融緩和が異次元レベルで行われ、その結果低金利による資金調達が容易なったこと、また気候変動の影響による大規模な山火事が世界中で発生したことなどもあり、ウッドショックが世界的に広がっていきました。
その後、各国で行われたウッドショック対策が功を奏し、また感染状況も落ち着いたことで住宅需要の減少などで木材の価格は落ち着きを取り戻しました。
一方、鉄、コンクリートなどの建築資材の価格は、木造に比べると高止まりしてます。
以下のグラフは、構造資材の価格の推移です。
建築資材以上に高騰が続いているのが人件費です。円安の影響で実質収入がダウンした外国人労働者が日本を見切り、他国、あるいは自分の国に帰ってしまったため人手不足が深刻な状況になってます。何とか人材を繋ぎとめるため、あるいは新たな人材を集めるため賃金を上げたことも建築費の高騰に繋がってます。
地価については、今年1月1日の地価公示では上昇トレンドが見られたものの、実態は先々の金利上昇を市場が見込んでいることもあって、以前のような強気な価格設定の物件が少なくなりました。ただ、建築費の高騰で不動産価格全体としては、下落することは当面なさそうに思われます。
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