代襲相続に新たな判決 IZUMAI通信 Vol.311

2024.11.19

昨今、相続を巡る争いが増えてきているようです。2015年に相続税の基礎控除がそれまでの6割となったため、相続税を支払わなくてはいけない対象が全体の4%程度から9%と倍増し、地価高騰の影響から更に増加傾向にあります。

 

 

ただ、係争となるケースを見ると相続税を納めなくてはならない多額の遺産を相続したケースより、相続税を納める必要のない基礎控除の額内であるケースが実は多いのです。どうしてなのかと思いますが、金額だけじゃない何かがあるんでしょうね。

 

 

家族のあり方、家族構成も一昔前と様変わりしてきているので、今まで事例として無かったケースも出てきてます。

 

 

先だって最高裁で出された判決があります。養子縁組前に誕生していた子は、実の親の相続を引継げるかという係争案件の判決です。養親から見ると姪に当たる人と養子縁組を行なったことで、その養親の実子と兄弟となったケースですが、元々は従兄弟であった関係性です。

 

 

養子の兄が死亡した時に養子となった母親が兄の遺産を相続する権利があり、母親が亡くなった後にその子が代襲相続の権利がある筈と起こした裁判です。

 

 

争点は、養子の母親が養子縁組を行う前に生まれていた子に代襲相続の権利があるのかという点でしたが、高裁で養子の子の訴えを認め代襲相続の権利ありとしたものの、最高裁でその判決が覆され養子縁組前に生まれていた子に兄の遺産を相続する権利はないとされたものです。

 

 

相続に関しては、民法の規定が適用され、その民法の条文の中には長い間改正されず、今の時代にそぐわない条文、当時は想定していなかったケースが出て来ることで新たな判例が出され、今までの常識を覆すことがこれからも出て来るのではないかと思います。

 

 

日本ではあまり一般的となっていない信託という考え方がだんだん浸透、活用されていくことが予想され、民法に縛られない信託法を活用した不動産を主とした資産の継承をアドバイスしていきたいと思います。

 

 

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