国土交通省のモデル事業 IZUMAI通信 Vol.345

2025.09.08

国交省が管理の行き届いた「築古」戸建ての流通を促す来年度からモデル事業を始めるそうです。
新築物件の高騰が続く中、一般の方の手が届き易い良質な中古住宅が市場に出回ることを目的に行うとのことです。

 

 

良い取り組みだと思いますが、過去にも中古住宅の流通を促すために様々な施策を打ち出してきており、正直効果があったと思えるものはほとんどなかったと言っても言い過ぎではないかもしれません。
では、過去にどのような施策を行ったか年表式に以下に列挙してみましょう。

 

 

2006年
住生活基本法制定→新築偏重からストック活用へ
 
2009年
長期優良住宅認定制度→良質な住宅を長持ちさせることを目的に
既存住宅売買瑕疵保険→中古住宅でも引き渡し後の欠陥をカバーできるようにを目的に
 
2012年
不動産価格指数公表開始→中古住宅市場の透明性を高める指標を整備
 
2015年
空き家対策特別措置法施行→管理不全空き家は固定資産税の優遇解除、行政代執行を可能に
 
2016年
フラット35リノベ創設→一定の基準を満たしたリフォーム済み中古住宅に低金利ローンを提供
 
2018年
安心R住宅制度開始→国交省が認定した「条件を満たす良質な中古住宅」に統一マークを付与
インスペクション(建物状況調査)説明義務化→媒介契約を契約する時にインスペクションの説明、実施の有無の確認を義務付けた
 
2020年
グリーン住宅住宅ポイント制度→中古住宅購入+リフォームでポイント付与
既存住宅流通・リフォーム市場倍増方針(国交省ビジョン)→2030年までに市場規模を20兆円超に延ばすことを目標に

 

 

主だった施策だけでもこれだけのものを打ち出してきましたが、その効果は果たしてどうだったのかということは、現状を確認すれば説明するまでもありません。

 

 

では、来年から始めるモデル事業はどうなのか?というところですが、中古住宅の性能や利用価値が市場で評価され易いシステムづくりを盛り込むそうで、それに期待したいところです。

 

 

日本の木造中古住宅の法定耐用年数は築22年とされているので、築20年~25年で価値がゼロとみなされて解体して新築に建て直すスクラップ&ビルドの状況を改善する切り札になるのでしょうか?それとも今までに打ち出した数多の施策同様、効果を得られず忘れ去られていくのでしょうか?

 

 

人口減少が明らかな日本で既に900万戸もある空き家を何とかしないと環境の問題だけでなく、治安や倒壊リスク等の問題も拡大していくだろうから、何とか効果が上がる施策の実施を期待したいと思います。

 

 

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