超高齢化社会の日本において認知症の患者は年々増加しており、誰しもが避けて通れない状況になってきました。2030年には認知症患者の数は500万人を超えると見込まれ、認知症の予備軍と言われるMCIを含めると1,000万人を大きく超えると考えられています。
認知症になると判断能力がなくなり、自分の意思で何もできなくなってしまいます。こうなると後見人を付けるしかなくなります。
後見人には、認知症と診断されてから家庭裁判所によって選定される成年後見人と判断能力があるうちに本人の意思で付ける任意後見人とがあります。このうち成年後見人は半数程度は家族がなっているようですが、成年後見人を誰にするかを決めるのは家庭裁判所で、家族が後見人になれないケースも少なくありません。
家族がなれない場合、弁護士や司法書士が選定されることとになりますが、一度選定されると被後見人が亡くなるまで辞めてもらうことができず、その間は財産額に応じた報酬を払い続けなければならず、家族にはかなりの負担になってきました。
また本来全幅の信頼を置いてお任せする後見人ですが、残念なことに横領事件が後立たず2015〜24年の間に243件も発生し、その被害額は13億5000万円にも及びます。弁護士、司法書士でしかも家庭裁判所から選定された専門職ですが、こんな事件を起こすとは思いもしなかったと思いますが、実態はこのような状態で、これから成年後見人を付けようと考える家族としては悩ましい問題です。
従前から成年後見制度は使い辛い、負担が大きいという意見が多く、制度の見直しを要望する声が多数ありました。
今般、法制審議会で1月末にまとめられた要綱案が現在開催中の特別国会に提出される予定です。
要綱案では、本人の判断能力に応じて身上保護の程度の順に、後見、保佐、補助に振り分けられている類型を補助に一本化されます。これにより現行制度では解任することができませんでしたが、必要がなくなった時点で家庭裁判所に申請すれば解任することが可能になります。
また今まで任意後見と成年後見は併用できませんでしたが、併用も可能になります。
認知症に対しての手当ては必ず行っておくべきだと思いますが、それも本人が健常な状態のうちに行っておくべきです。認知症対策としては、信託という方法もあります。信託は、自分の想いを実現するのに確実な方法でもあります。ただ、信託も健常な状態の時にしかできませんので、ご心配の方は早い時期にご相談されたら宜しいかと思います。
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