2020年1月1日現在の公示地価が発表されました。
昨年の公示地価に比べ全国で商業、工業、住宅ともに上昇し、5年連続の上昇になりました。
著しく上昇しているエリアは、北海道、沖縄の一部のエリアでインバウンドを中心に観光客が増加したエリアの地価が上昇が目立ちます。
特に沖縄県は、商業地、住宅地ともに全国首位でした。
その沖縄県の地価は、毎年急上昇を続けて来ておりそろそろピークアウトしてもおかしくないレベルになって来ていると感じてます。
公示地価は、基準日の半年前から調査を開始するため、どうしてもタイムラグが生じて来ます。
従って今回の公示地価については、コロナウィルスの影響はほとんど反映していないと見るのが正しいかと思います。
インバウンドに支えられて地価が上昇続けている沖縄県では、コロナウィルスでインバウンドどころか国内の観光客も激減しているので、その影響は避けられないのではないかと思います。
今後コロナウィルスの感染がいつ収束するかによっては、2021年の公示地価に動きが出て来ると思いますし、その前に、秋口に都道府県から発表される基準地価がどのような結果が出て来るのかちょっと怖い気がします。
不動産の価格というのは、株や為替と違って短期間に一気に上がり下がりするものではありませんが、今回の発表を見ると昨年の台風の被害を受けたエリアの地価が下がっていることが確認できます。
ただ、それも長野や福島県のいわき市のような地方に限ってのことで、台風で浸水被害を受け人気が落ちたのではないかと思われた、武蔵小杉のタワーマンションのある川崎市はすべての地区で地価が上昇しておりました。
首都圏の地価と地方のそれは、動きがかなり違うようです。
いわゆる二極化が進行している証でもあります。
このままコロナウィルスが夏まで収束せず長引いて東京オリンピック、パラリンピックが延期となった場合、選手村として予定されている晴海のマンションはどうなっていくのでしょうか?
それによって東京の不動産価格に影響が出て来るのか?予想もつきません。
選手村と使った後に修繕を施し、2023年にはマンションとして引き渡すことが既に決まっておりますので、その引き渡し時期がずれるようなことが出て来るとどこがその責任を負うことになるのでしょうか?
契約違反で賠償請求をされることになるのか、国が何か特別な救済措置を行うのか、難しい問題が出て来ます。
この状況が続くと、不動産の売り手が増え、買い手が減っていく可能性も考えられます。
売り手は、価格が落ちる前に売り抜けたいと思うだろうし、買い手としては、暫く価格が落ち着いて来るまで、様子見といったことになるかもしれません。
コロナウィルスの問題は、今後も様々なマーケットに大きな影響が与えて行くでしょうから、不動産のマーケットだけ見ててダメかもしれません。
資産家は、これから何を基準にどう動いて行くのか常に注視して行きたいと思います。
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