残価設定住宅ローンについて IZUMAI通信 Vol.108

2020.10.19

皆様

 

 

お世話になります。

25年前に建てられた福岡のマンションで施工不良を販売会社が認め、建て直すことになったというニュースがありました。
この間、天井にひびが入る、玄関ドアの開け閉めができなくなる、床が傾いて物が転がるといったように事態がだんだん悪化していたようです。

 

 

今般、管理組合の方でお金を出してボーリング調査を行ったところ、本来届いていなければならない地盤に杭が打ち込まれていないことが分かり建て直すということですが、25年もかかってしまいこれから施工業者と販売業者との責任の擦り合いが行われるでしょうから、実際建て替え工事が開始されるのは未だかなり先の話しになると思います。

25年間、ずっとここに住み続けていた住人の無念さを考えると気の毒としか言いようがありません。
残価設定住宅ローン

 

 

 

車のローンでお馴染みになりました残価設定ローンの仕組みを住宅ローンに用いた商品の開発が国土交通省の旗振りで進んでいるようです。

 

 

残価設定ローンとは、車の場合は3〜5年後の残価を決め、残りの金額に対して分割返済するローンです。
3〜5年後の選択肢としては、車両を引き渡す、車両を買い取る、再度ローンを組み直すの3つになります。
 

 

モデルチェンジする度に車を乗り換えたいニーズのある人には好まれる仕組みだと思います。

残価設定ローンは、一般のローンに比較して有利なのかというと一概にそう言えない部分が少なくありません。
例えば期間満了時の車両の査定価格がローンを設定した残価より下回る場合が出てきます。
走行距離が想定より多くなった場合やキズが許容範囲を超えてついてしまった場合等が考えられます。
また、ローンを組み直す場合も残価設定ローンは金利が低いが、組み直し後は通常のオートローンの金利が適用され、返済額が増えてしまう可能性があります。
 

 

この車と同じ仕組みの残価設定ローンを住宅ローンのラインナップに加えた場合、どのような問題が出てくるのか検証する必要があります。
一番の課題は、このローンの最も肝になる残価設定だと思います。
住宅の場合、車と違って期間が20〜30年と長期になるケースがほとんどだと思いますし、日本の木造住宅はそのくらいの期間が経過するとほぼ価値がなくなると思われております。
 

 

また、欧米と違って日本の住宅の80%は新築で、中古の住宅の流通量が極めて少ないことも影響してくる筈です。
少し仕組みは違いますが、リバースモーゲジという同じように残価を設定したローンがなかなか件数が増えないのも同じ理由からだと思います。
 

 

20~30年の建物の価値はほぼゼロとして残価設定されるため、結局の土地の価格でのローン設定になるため、都心の一等地くらいの立地でないとそもそも組めないローンのため普及していないと言えます。
 

 

残価設定ローンも同じような末路にならないよう国の住宅政策を変えていく必要があります。
人口減少の進む日本で今後もスクラップ&ビルドで新築の戸建を市街化調整区域に開発を認め続けることで、中古住宅の流通量は現在の20%程度に留まることになりますし、空家がどんどん増えて来ることが容易に考えられます。
そんな状況において残価設定ローンが定着していくとは考え難いです。
 

 

良い機会ですので、中古住宅の流通量が欧米に近づくよう住宅政策の見直しも合わせて行っていただきたいと思います。

 

 

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