測量について IZUMAI通信 Vol.160

2021.11.29

測量について

 

 

土地を売買する時は大概測量を行なって法務局に届けられている土地の面積が正しいのか確認します。
現存している測量図は、現在のようにGPSで座標を確認して精緻に行う測量だけでなく、
明治時代に行われた縄を使った測量で測った面積の図面などもあります。

 

 

なるべく税金を納めたくないので、縄につけた目盛りを面積が小さくなるように長く印をつけて測ったということもあり、実際の面積は、図面より広かったりします。
この状態を縄伸びといい、逆に面積が小さい土地の測量図を縄縮みと言ったりもします。

 

 

我が国の測量の歴史は、古くは大化の改新で制定された班田収授法が知られていますが、
当時も年貢を取り立てる目的のために土地の面積を測ったと考えられています。

 

 

海外で測量が行われた記録は、紀元前3000年のエジプトにまで遡ります。
こんな大昔でありながら、当時の測量技術は、かなり高度だったようです。
やはり地球外生命体が存在していたのでしょうか。

 

 

一方、日本で測量と言えば伊能忠敬でしょうか。
日本全国隅々まで歩いて「大日本沿海輿地全図」を作り上げたのは有名な話です。
測量機器もなくひたすら歩数を数えて測量したということですが、今見てもとても正確な日本地図だと感心させられます。

 

 

さて、現在測量は前段で申した通り、土地の売買契約の時に行われる場合がありますが、
一言で測量と言っても色々なやり方があり、色々な測量図が存在します。
代表的なものが、確定測量図、現況測量図、地積測量図です。
それぞれの違いを見てみましょう。

 

 

確定測量図
土地家屋調査士が隣地の所有者全員、公道所有者(国や自治体)と土地の全ての境界立会いを行い、
境界杭を打ち、隣地所有者の承諾印を付記した確定測量図を作成したものを言います。
土地の境界を正式に確定することが出来ますので、最近では土地の売買に際して作成するケースが多くなっています。
ただし、行方不明で連絡不能の場合や、印を押してくれない場合等の隣地所有者の協力が得られない場合は、
確定測量図は完成しませんので、この場合は次の現況測量図となります。
確定測量図は、基本的に依頼主である売主だけが所有していますので、他から取り寄せることはありません。
その費用は、依頼する土地家屋調査士や土地の大きさ、形状によって異なりますが、数十万円は必要になることが一般的です。

 

 

現況測量図
現況の杭や壁などから測量した図面のことです。
確定測量図に比べると、立会い者の一部(官民)を省略したものや、全く立会いをしていないものも現況測量図と言われています。
そのため、土地の境界について確定的ではありませんので、売買時にこの図面しか無い場合は、
売主から境界の明示をしっかりと受けて、隣地間で境界争いが無いことを確認しておく必要があります。
現況測量図は、土地のおおよその面積を知る場合には有効で、建築確認申請用の配置図用図面などにも利用されます。
その費用は、業務内容によって異なりますが10万円程度で出来ることもあります。

 

 

地籍測量図
分筆登記等の際に添付される測量図で、法務局に申請書類として保管されているものです。
確定測量図を法務局の仕様で作成したものですが、確定測量図であるとは限りません。

また、古い図面の場合、正確ではないものもあり、土地によっては保存されていない場合もあります。
法務局に保存されている場合は、数百円で取得することが可能です。

 

 

測量の技術も日進月歩でどんどん進化していってます。
今ではGNSS方式というGPSを使った測量が一般的になりつつありますが、いずれ時間も手間もかけず一瞬で測量できる技術が開発されるのは間違いないでしょう。

 

 

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