中古住宅データは、伏魔殿 IZUMAI通信 Vol.161

2021.12.06

中古住宅データは、伏魔殿

 

 

先週の日経新聞の記事に今回のテーマの見出しがありました。
いったいどういう意味なんでしょう。

 

 

記事では、日本とアメリカの中古住宅のデータの取り扱いの比較が載っておりました。
伏魔殿というのは、不透明、あるいはデータ自体が開示されていないということを伝えるための比喩に使われたと思います。

 

 

そもそも今の日本では、流通している住宅のほとんどが新築です。
中古は、僅か15%前後で、残り85%は新築です。
これに対してアメリカでは、中古が80%、新築が20%と完全に逆転しております。
アメリカだけでなく、イギリスやフランスでも流通している住宅のほとんどが中古住宅です。

 

 

このように申しますと、日本の住宅は安普請で欧米は確り作られているからだと思われる人もいると思います。
そんなことはありません。

 

 

不具合があるかどうか定期的に確認して修繕しているかどうかの違いです。
要は、メンテナンスが確りされているかどうかです。

 

 

昔のアメリカのドラマに出てくる一般家庭の住宅は、日本人から見ると、あんな家に一度住んでみたいなと思わせるようなとてもゴージャスで魅力たっぷりの家に感じた方も少なくないと思いますが、
実はアメリカの家は築100年を超えている家も少なくなく、大半は築50年を超えています。

 

 

日本では、法定耐用年数というものがあって木造だと22年経つと価値がゼロになると考える人も少なくありません。
まして50年も経った家など誰も欲しがりません。
逆に100年経つと古民家として希少性が増すかもしれません。

 

 

この差は何故生まれてくるのでしょう。
高度成長時代、いつかはクラウン、いつかは庭付き一戸建てというのが庶民の憧れであり、
この夢の実現を国も様々な形で支援してきました。

 

 

ところが、その象徴でもあります住宅すごろくのゴールも当時とは大きく変化して来ており、
念願の新築一戸建てを購入したところがゴールにならなくなりました。
ですが、国の住宅政策は相変わらず新築偏重のため、
中古には目もくれず新築購入を目指す人が未だ後を絶たないと言っていいかと思います。

 

 

国土交通省いわく、中古住宅の一般の方の持つイメージは、
“汚い” ”不安” ”分からない”というものだそうです。
欧米の住宅のイメージと圧倒的に違っているために中古住宅の流通量が15%と低迷してしまっているのです。

 

 

では、欧米では、この中古住宅の3つのイメージをどう払拭しているのでしょう。
まず、”汚い”ですが、欧米の中古住宅は売りに出す時には、
最大限綺麗にし、好印象を持ってもらえるよう尽くします。
リフォームすることは勿論、がらーんとした部屋を見てもイメージが湧き辛いため、
ステージングといってもモデルルームのように家具を配置してイメージし易いようにセッティングします。

 

 

次に”不安”についてですが、中古住宅だと見えない箇所がどうなっているのか?不具合はないのか?と当然に不安を感じます。
そこで、建物状況調査(インスペクション)を行なって、見えない箇所がどうなっているのか、不具合はないのか、白日の下に晒して買主の不安を取り除きます。

 

 

3つ目が今回のテーマになるのですが、
“分からない”に対しては、対象の不動産に関わるデータを全て開示し、誰でも閲覧できるようにしております。
日本で最も遅れている部分がこの点になります。

 

 

日本では、なるべく物件を囲い込みながら、両手といって売主、買主双方から仲介手数料を得ようとする業者が少なくありません。
この手の業者は、なるべく情報を表に出さず、自分の顧客に購入してもらうよう徹底努力するのです。

 

 

本来、専任で売主から媒介契約をいただくと速やかにレインズという業者だけが閲覧できるポータルサイトに物件情報を掲載しなければなりません。
ところがレインズに掲載すると他の業者が顧客に紹介してしまい、
購入希望者が次々と現れることになる訳ですが、これを何とか阻止したいので、
載せないか、載せても必要な情報量が得られない掲載方法で誤魔化してます。
未だ購入者がいる訳でもないのに、業者が問い合わせすると、この物件は既に検討している人がいますとか、
売主様が売却を止めようとかんがえてますとかと回答し諦めさせたりといったことが日常茶飯事です。

 

 

アメリカでは、売主、買主双方から手数料をいただく両手については、利益相反として禁じられています。
両手がいけない訳ではないですが、双方の利益を考えて確りアドバイスができるかということが問題です。

 

 

日経新聞が伏魔殿と記事を掲載した内容も不動産売買の慣例であったり、
システムが売主、買主から見え難いということを指摘してます。
物件に関して言えば、前段に書いたように情報が事前に開示されている量が少ないため、
それだけで判断することができないことがアメリカのシステムに比べると問題となるところです。
アメリカでは、物件の概要だけでなく、新築時の図面は勿論のこと、その不動産に関するあらゆる情報や修繕履歴、建物調査の結果などがインターネットで誰でも確認できるため、安心して購入に踏み切れるのです。

 

 

ちなみに弊社では、独自にアメリカの不動産業界と同じように中古住宅に対する3つイメージを払拭する取組を行なっております。
特に今回のテーマにある物件の情報、資料をインターネットで確認できるシステムも開放させていただいております。

 

 

少子高齢化、人口減少が加速する日本で今まで通り新築偏重を続けることは、
ただでさえ問題となっている空家の数を増やし、治安の悪化を招くことにもなりかねないため、住宅政策も限界が近づいていると感じます。

 

 

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