不動産の語源 IZUMAI通信 Vol.162

2021.12.13

不動産の語源

 

 

不動産という言葉を日頃特に意識することなく使っておられると思いますが、
そもそもどこから来た言葉でしょうか。

 

 

日本で初めて不動産という言葉が使われたのは明治29年に制定された民法の86条1項に
「土地及ヒ其定著物ハ之ヲ不動産トス」とあり、これが最初だと言われております。

 

 

何故この言葉が採用されたのかですが、当時は海外の先進国に追いつけ追い越せで一等国を目指していた時期であり、NHKの大河ドラマ「青天を衝け」の主人公渋沢栄一が日本の経済の基礎作りを行っていた時期でもあります。

 

 

何でも一等国のものを取り入れようとしていた時代で、
不動産という言葉もフランス語の「immobiliers」(不動の、動かないもの)を直訳で当てた言葉と言われております。

 

 

不動産には、現代では固定資産税という税金が課せられていますが、歴史的に見ると平安時代から年貢という名目で収穫物で納める仕組みがあり、それが明治になるまでの間続いていました。

 

 

明治時代になり、土地の所有を認め地券を交付して土地所有者から政府が税金を徴収する仕組みが出来上がりました。
これを地租改正と言い、それまでの物納から金納に変わり、豊凶に関わらず地価の3%を徴収するようになったのです。

 

 

これにより政府の財源は安定しましたが、税額が高額だっため、
各地で一揆が起こり、大久保利通が2.5%に税額を下げ平定致しました。
江戸時代の年貢は、収穫量に応じて課せられたため頑張って収穫を増やしても年貢が増えるだけで労働意欲に繋がりませんでした。
地租改正で税額が一定となり、収穫が増えた分は自分の利益になったことから、
労働意欲が増し生産性が向上することになったのです。

 

 

土地の所有を認められ土地の売買することができるようになったため、
土地を広げて大規模に農業を展開する者が現れたり、土地を売却してその金を元に別の仕事を起こす者が現れたりで、不動産が日本の資本主義の基礎を形成していったと考えられています。

 

 

明治18年に登記法が制定され、土地基本台帳が登記簿に統一されていきます。
現在でも未だに土地基本台帳時代の登記簿が残っていることも稀にありますが、
この当時の測量は素人が行っていたことに加え、なるべく税金を低く抑えたいという思いから実際の面積より小さかったりといったことがよくあり、あまり正確ではありません。

 

 

こういう歴史を経て現在の登記制度が出来上がったのですが、現在所有者不明土地と言われる誰が所有者なのか分からない土地が九州地方の面積くらいあり、これがどんどん増えています。

 

 

不動産の語源から話を展開してきましたが、
現代では不動産ではなく負動産と置き換えられる誰も欲しがらない不動産が増えた結果、
所有者不明土地が膨大な面接に広がってしまいました。

 

 

来年からは登記が義務化され、所有者不明土地の増加には歯止めがかかると思いますが、
不動産を負動産にしないため国にも色々と考えていただきたいと思います。

 

 

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