不動産株の高騰 IZUMAI通信 Vol.171

2022.02.21

不動産株の高騰
 

 

世界的にインフレ、利上げが加速している感があります。

 

 

インフレの要因としては、原油高によるエネルギー関連の価格上昇が最も影響していると思います。
コロナ禍で原油の消費量が増したことで、産出国が産出量の制限を行なっていること、
それと地政学な問題の影響が挙げられます。

 

 

原油産出国でもあり、天然ガスをヨーロッパへ輸出しているロシアが隣国ウクライナに侵攻するのではないかという懸念も大きく影響しています。
懸念していることが現実になった時には、現在の状況どころではなく、
世界中を大混乱の渦に巻き込んでいくことでしょう。

 

 

物価の上昇は、国債の値下がり、利回りの上昇を招き、アメリカの中央銀行にあたるFRBが来月から利上げを行い、今年中に少なくとも3回程度の利上げを段階に行うと発表しました。
これに呼応する形で各国の中央銀行も利上げに踏み切っており金利の上昇は避けられない状況になっております。

 

 

日本も無風という訳にはいかず、超長期の30年債、40年債の利回りが上昇し始めております。
金融緩和政策を継続する意向の日銀もこの流れを食い止めようと10年国債の無制限買取を行いましたが、
これに応じる金融機関がゼロということで、日銀のコントロール下を脱したと見ることもできます。

 

 

このような世界情勢の中、日本の不動産会社、建設会社の株に資金が流入して、株価が上がっております。
世界情勢が不安定なことで、内需銘柄の不動産株、建設株が選考されることは理解できます。
これに加えてインフレトレンドが不動産価格に影響を及ぼしている、あるいは及ぼすと考えられていることも、
この2業界の株への資金流入を後押ししているのだろうと思われます。

 

 

また世界の主要都市と比較した時、東京の不動産が魅力的であるとの判断からリートやファンドが
多額の資金を振り向けていることもデータから確認できます。

 

 

不動産はインフレに強いと言われますが、この株価高騰が一時的な現象であると見る向きも強く、
今後インフレが加速して景気が下向くと一気に資金の流れは変わるだかもしれないし、
住宅ローンの金利が上がったりすると個人の購入意欲が減退して不動産市況も悪化するかもしれません。

 

 

今の世の中、世界中が何らかの形で繋がってますので何処かで何かが起こればまた局面は大きく変わっていくかもしれません。

 

 

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