建築確認制度について IZUMAI通信 Vol.182

2022.05.23

建築確認制度について

 

 

建築基準法は、建築物の敷地・構造及び設備などについて最低の基準を定め、
国民の生命や健康、財産を保護し、もって公共の福祉の増進に資することを目的としています。
この目的を達成するため、建築物を建築しようとするときは、工事に着手する前に、
建築主事又は民間確認検査機関の確認、いわゆる「建築確認」を受けなければなりません。
この建築確認を受けるための申請が建築確認申請です。

 

 

これはある自治体のホームページにあった解説です。

 

 

つまり建物を建築する時、増築、改築する時は、建築確認申請を受けなければならないということです。
そして建築確認は、2回受ける必要があります。
最初は、建築工事前に書類の審査を受けます。
この時点で問題がなければ、建築確認済証が交付されます。
2回目は建物が完成した後に完了検査が行われ、問題なければ検査済証が交付されます。

 

 

この建築確認申請を行っていない建物はいわゆる違法建築ということになります。

 

 

昨年の4月、八王子のアパートの屋外階段が崩落して住民が転落死した事故がありました。
このアパートの階段は鉄製でしたが、踊り場が木製となっており、この部分に防腐措置を施していなかったことにより、事故が起こったと警察はみて施工業者を家宅捜索しました。

 

 

建築基準法では、屋外の階段は木製を禁じており、ただ有効な防腐措置を施せば例外として認めています。

 

 

このアパートは防腐措置が施されていなかったにも拘らず、アパートとして住民を住まわせているということは
建築確認申請を行わなかった違法建築だったのでしょうか?

 

 

警察の調べによると、建築確認検査をちゃんと受け、建築確認済証も交付されていたようです。
では検査機関が見逃したのでしょうか?

 

 

実は事故の前の建築確認検査は、
建築確認申請書に屋外階段や防腐措置について記載する義務がなかったとのことです。
つまり違法建築ではなく、きちんと建築確認済証を交付された建物だったのです。

 

 

またこの検査を行ったのは民間の検査機関で、今は9割以上が民間の検査機関が行っています。
民間だから杜撰な検査だという訳ではないでしょうが、このアパートを担当した検査機関は屋外階段については
構造や材質を確認していなかったようです。

 

 

起こるべくして起こった事故と言えるのではないでしょうか。
この施工業者の他の物件についても、事故が起きた物件と同じように外階段に木材を使っていたことも明らかになりました。

 

 

設計と異なる施工を行えば、施工業者は罰則受けることになりますが、
そもそも申請書に記載する必要が無かったということで
この業者に罰則を科すことができるのか何とも言えません。

 

 

この事故をきっかけに建築基準法が改正され、屋外階段に木材が使用される場合、
建築確認申請書に階段の構造、防腐措置を明記することが義務付けられました。

 

 

違法建築は実際のところ少なくありません。
特に関西地方に多く、建築確認済証が交付された後に設計と違う造りに変更してしまう物件があります。
代表的なものが車庫転と呼ばれるもので、
設計上は1階は車庫としているものを住居に変更してしまうものです。
このように変更することで収益性を高めることができます。
同じエリアの中に他に比べ利回りの高い物件があったら違法建築ではと疑ってみるのも必要かもしれませんね。

 

 

建築基準法は改正回数の多い法律だと思いますが、
大半の場合何かが起きてから対処する形で改正されてきたような気がします。
危険の除去のためには、先手先手の改正が望まれるところかと思います。

 

 

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