不動産の親族間贈与 IZUMAI通信 Vol.196

2022.08.29

木造住宅密集地域(木密地域)

 

 

不動産の売却を依頼された時に必ず確認するのが登記簿情報です。
土地の面積、建物の築年月日、地目、権利関係などと現在の所有者に所有権が移るまでの経緯などを確認します。

 

 

所有権が移転する原因を確認すると、売買、相続、差押、贈与などを確認することができます。
売買が多いのは当然なのですが、結構目にすることが多いのが贈与です。
1/15づつとか細かく贈与を何年にもわたって行っているケースや一気に1/2づつ子に贈与しているケースとか様々ですが、
果たして贈与した時に贈与税を納税されたのか疑問を感じるケースが少なくありません。

 

 

現在のルールでは、親から子への贈与は年間110万円の基礎控除があり、この範囲内であれば贈与税はかかりません。
また親から子供に住宅取得資金としての贈与は、1000万円まで非課税となっています。

 

 

ただ、贈与税の存在も知らず、将来の資産分けを目的に安易に不動産を子や親族に贈与した後、
贈与税を追徴されるといったケースも少なくないようです。

 

 

知らなかったでは、税務署は許してくれません。
国税庁は、法務局から毎年所有権の移転登記の情報を得ているそうで、その中で怪しいと思われる贈与について
「お尋ね」という質問状を送っているそうです。
この「お尋ね」に辻褄の合わないような回答をしてしまうと細かく調べられ、結果追徴されるようなケースも結構あるようです。

 

 

最近、夫婦で住宅ローンを組んで住宅を購入されるケースが増えてますが、一時金、住宅ローンの負担割合に関係なく
所有権割合を登記しようとする人もおりますが、こういったケースも住宅購入時の実際の負担割合よりも所有権の割合が多いと
贈与とみなされ贈与税の納税を求められることがあります。

 

 

合法的な節税は積極的に行うことは良いことだと思いますが、このくらい分からないだろうと税務申告せずにいると
後々泣きを見ることになるので、気を付けたいものですね。
 

 

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