トルコ、シリアの大地震 IZUMAI通信 Vol.219

2023.02.13

トルコ、シリアで大地震が発生し、多くの人命が失われました。
両国で死者が3万人に迫る状況で東日本大震災の死亡者を上回ったと報道されていますが、今後も更に増える可能性が高いようです。

 

 

建物が6400棟以上が倒壊したそうですが、映像を見ていると倒壊というより基礎から形を残さず垂直に崩れ瓦礫の山と化した元建物があちこちで確認できます。これをパンケーキクラッシュと呼ぶんだそうです。

 

 

地震が多い地域でもあるのに関わらず、石造り、レンガ造りの建物も少なくなく、一溜りもなく崩れてしまってます。
倒壊した建物の中には、鉄筋が入っていたと思われる建物もありますが、どう見ても鉄筋の数が少なく、また鉄筋も細いようにも見えます。

 

 

コンクリートにしても海岸の砂を使っていた建物が多いようで、鉄筋の腐食が進んでいた建物もあったのではないかと思います。

 

 

今回の地震で倒壊した建物の中には昨年完成したばかりの最新の耐震基準を満たした筈の建物もあったようですが、なぜそのような最新の耐震基準の建物が倒壊してしまってのでしょうか?

 

 

トルコでは耐震基準を満たしていないと指摘された建物も一定の金を払えば行政処分を免除してもらえる仕組みがあるそうで、そのため違法建築が跡を絶たないらしく、いくら耐震基準を厳しくしても意味をなさない環境があることが、これほどまでに被害を拡大させた原因でもあるようです。

 

 

現在も救出活動は続けられており、生存の確率が一気に下がる72時間を過ぎた後も生存者が救出されております。ただ、もうここまで時間が経ってしまうと、望みはほとんどないかもしれません。

 

 

今後被災地を再建する際は、訳の分からない制度を廃止して耐震基準を満たした建物以外建築させないないよう
確り取り締まることがトルコには必要だと思います。さて、今のトルコにそれができるのだろうか。

 

 

日本も他人事無く、30年以内に南海トラフの大地震が70〜80%の確率で発生すると言われておりますが、日本の建物は果たして大丈夫なのでしょうか?

 

 

1981年6月に改正建築基準法が施行され、これ以降に建築確認申請を出されて承認された建物は新耐震基準を満たした建物であり、阪神淡路大震災の時も軽微な被害で済んでいます。

 

 

では、逆に1981年6月以前の旧耐震構造の建物は、日本にどのくらい現存しているのでしょうか?

 

 

年々、解体したり、耐震補強されたりして旧耐震構造の建物は減少していますが、住宅に限って言うと2019年当時で1200棟あまり未だありました。この数は住宅だけですので、ビル等含めるとかなりの数の旧耐震構造の建物は日本に残っていると考えておくべきです。

 

 

マンションを建て替えるには、住人の4/5の賛成が必要になりますので、建て替えは容易なことではありません。マンションの区分所有者の中には、死亡した後相続人が相続しなかった場合とか、相続人がそもそもいなかったケースも増えて来てますので、ますます4/5以上の賛同を得ることは困難だと言えると思います。

 

 

国は、この建て替えに必要な賛成割合を3/4に緩和することを検討してますが、所有者がいなくなった部屋の対応も考えておく必要があります。

 

 

また建て替えには、区分所有者の負担が必ずと言っていいほど発生します。容積率が大きな地域の建て替えについては、階数を高くし、部屋数を増やすことで、その売却益を組合が得ることで負担額は少なくて済む場合が多いですが、あまり立地が良くない容積率の小さな地域では、上に伸ばすことがことができず負担が大きくなります。

 

 

実際、1996年頃は区分所有者一人当たり辺りの建て替え時の負担額は344万円でしたが、現在はほぼ2000万円に近い1941万円に上昇してしまっております。

 

 

この原因は、人手不足、資材の高騰等が考えられますが、古いマンションは高齢者の区分所有者も多く新たにこの額を負担しなくてはならないということになると現実的でなくなります。

 

 

建て替えができないなら、耐震補強を行うという選択にならざるを得ませんが、耐震補強とて安い金額でできるものではありませんので、結果は同じことに成るのかもしれません。

 

 

やはり最後は、国や行政の支援がなければそのまま放置されることになるのでしょう。借金だらけの国に財政支出を行う余裕もなく、この問題は棚上げになってXデーを迎えることになるのかもしれません。

 

 

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