日本には、駅からの距離は近いものの道が狭く、古いビル、商店、住宅が密集している場所があちこちに存在してます。景観を損なっている上、不動産としての価値も下げてます。また消防車が入って行けない場所でもあるため、火災時に鎮火に時間がかかり、被害を拡大させる恐れもあります。それと、人通りが多い割に死角になる場所があり治安的にも望ましい状態では無かったりします。
こういう場所の土地を集約して商業ビルや複合施設、最近だとタワーマンションを開発して都市機能を向上させ、防災力を高め、本来の立地の価値を持たせる取組みが再開発になります。
地権者は、等価交換で元々所有していた土地・建物の評価額に応じて新しく建てられたビル、マンションの床と土地を得ることができます。
再開発には、国、自治体が補助金を出して開発進めていくのが一般的ですが、近年の人口減少の影響で容積率を活かして上へ上へ床を増やしたにも関わらず、増やした床を捌き切れていない再開発事業も少なくないようです。
捌き切れなかった床はどうなるのかというと、言ってみれば売れ残りの床ですので、地方では自治体が引き取るケースが結構あるようです。
極端な事例ですが、水戸市泉町の再開発事業では、自治体が96%も資金供与していた例もあります。必要な取り組みではあるものの採算も考えて行わないと自治体が負の資産を抱えてしまう結果にもなりかねません。
弊社では、東京近郊の駅前の再開発事業に関わる物件の取り扱いを始めたところですが、場所的に新しい床への需要が旺盛な場所であり、その辺りの懸念は不要かと思います。
再開発に参加表明したデベロッパーを中心に地権者による再開発準備組合を立ち上げ、行政に再開発計画を提出し、都市計画決定を待ちます。都市計画が決定されますと再開発組合の設立準備に入り、組合設立認可後は地権者の権利変換計画に着手する流れです。権利変換は、所有している土地・建物の評価を行い、再開発後に建設されるビル、マンション等の床と等価交換を行うことになります。
道幅も拡張された綺麗に整備された場所に新しく建設される建物の床を取得することができますので、不動産の評価額としては間違いなく高くなります。全てが完成するまでには6年程度の歳月がかかりますが、完成した姿を思い浮かべると楽しみしかありません。
一方、昔ながらの商店街がシャッター通りになってしまいイメージが悪化してしまったところを再生しようとする活動も活発になっている気もします。
住宅もそうですが、高度成長期から始まったスクラップ&ビルドの時代はそろそろ終焉を迎え、あるものをメンテナンスしながら大事に長く使う方向に転換していくのではないかなと思います。そうなってもらいたいものです。
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