先週、今年の7月1日現在の基準地価が国土交通省から発表されました。
それによると31年ぶりに地方の住宅地の地価が上昇に転じたということです。
不動産の価格は、そろそろピークに達し、今後はピークアウトするという声が少なくありませんが、大都市圏のみならず地方にも地価上昇の波が及んでいるということで、未だピークアウトせず更に上昇していくのでしょうか?
その地価上昇の要因の一つがインバウンドの増加です。インバウンドが多く訪れている場所の地価は急激に上がっており、その影響の大きさを明らかに見ることができます。
その他ピンポイントに上がっている地域では、何かが開発された、あるいは何かができる予定だという地域が多いのが確認できます。
今年の1月1日現在の公示地価では、全国で最も地価が上昇したのは、北海道の北広島市でした。ここには、プロ野球の日本ハムファイターズの本拠地であります『エスコンフィールド』が建設され、その周辺の開発が進み、住宅が次々と建てられたことによるものでした。
今回の基準地価でも北海道の千歳市が市町村別上昇率全国トップで、なんと26.28%の上昇でした。千歳市がこんなにも地価が上昇したのは、次世代の半導体製造のラピダスが大規模工場を建設することが決まったからです。
投資額5兆円、雇用も数千人単位になると予想されております。千歳市も北広島市と同じようにラピダスの新工場が建設されることを見越して次々住宅が建てられていることが今回の地価上昇に繋がっていると思われます。
今年の基準地価の市町村別上昇率ランキングの1位が千歳市、以下北広島市、恵庭市、江別市と北海道の都市が上位を独占しました。この4市以外にもベスト10内に北海道の村や町の名前を確認することができ、数年前の状況からすると隔世の感がありますね。
その他上位に名前を連ねたのは、熊本県の大津町、菊陽町です。ここには台湾の半導体製造メーカーのTSMCが大規模工場を建設中であることが大きく影響し、僅か2万人台の人口だった町に人が大勢流入して土地が無くなってしまっている状況です。
一方、インバウンドの増加で地価が上昇してしているのが沖縄県で、都道府県別では全国No.1の4.9%上昇です。コロナ前にハワイの観光客数を超え、不動産価格が高騰して地元の人たちにとっては大変迷惑な状況となっていた沖縄県で再びインバウンドの数が増えたことで地価が更に上昇したことは、なんと言えばいいのか難しい部分もあります。
沖縄県に次いで地価が上昇したのが福岡県です。インバウンドの数が増えていることとに加え、大規模な再開発が行われていることが地価の上昇に繋がったようです。
そして、福岡県に次ぐのが東京都です。3%の上昇です。ピークに達した、ピークが近いと言われながらもまだまだ上がっている状況です。
この地価上昇はいつまで続くのでしょうか?
日銀の政策決定会合後、現在の緩和策を維持すると植田総裁がコメントを出していますが、いずれ緩和策の出口を探る政策が行われることは間違いないと思います。果たしてそれはいつのタイミングになるのでしょうか。
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