現在の日本の住宅ローンの金利は、日銀の金融緩和策が継続されていることで、変動金利は過去最低水準になっております。最低水準だと0.2%台となっており、住宅ローン減税で所得税の還付を受けると金利以上の還付を受けることも少なくありませんので、住宅ローンを組むと逆に儲かってしまうようなおかしな状況になってしまっております。
住宅ローンは、多くの国民に住宅を所有し易くするという過去からの国の住宅政策の一環で、他の様々なローンに較べると、金利は圧倒的に低く設定されており、期間も長く借りることできます。かなり優遇されているローンと言えると思います。
ですので、使途はあくまでも住宅を購入するために使うローンで、その契約約款で他に資金流用することは禁じられております。万が一、虚偽申告により居住用の住宅購入以外の資金に充てられていたことが発覚した時は、金融機関等は一括返済を求めることができると謳われております。
にも拘らず、虚偽申告による詐欺的な融資金搾取が後を絶ちません。よく摘発される行為としては、投資用の不動産を購入する目的で自らが居住すると偽って住宅ローンを申請するスキームです。投資用の不動産ですので、購入した後は賃貸物件として他人に貸して家賃収入を得ることになります。
このケースだと、物件購入者は住所を購入物件に移す必要があります。外形上、ここに住んでいることを装う訳ですね。購入者宛の郵便物は当然ここに届きますので、その郵便物は賃借人に頼んでまとめて転送してもらう約束しておきます。この時点で賃借人もこの詐欺行為に加担していると見做されても仕方ないかと思います。
一般的に投資用の不動産のローンは、住宅ローンに比較すると金利は高く、融資期間も物件の耐用年数の残年数となります。
個人が単独でこのような不正行為を行うことは稀で、ほとんどの場合は不動産業者が主導して行われます。実際にこのような不正行為を行わせ顧客に投資用の不動産を購入させた業者が毎年のように摘発され、行政処分を下されております。
このような手口は、以前から業界で行われていることは周知のことで、過去にも何社も摘発を受けているにも関わらず未だに行っている業者がいることも信じられないことでもあります。
先日、沖縄振興開発金融公庫に会計検査院が検査に入り、飲食店や事務所購入に23件もの住宅ローンが使われていたことが分かりました。沖縄振興開発金融公庫は、政府系の金融機関で地元の銀行が代理店となる形で融資業務を行っています。
不動産業界は過去から不正、詐欺的な行為を行う業者が後を絶たず、その都度摘発され行政処分、刑事処分を科されていますが、根絶されないのは残念ですし、不思議でなりません。
何となくダークなイメージを持たれる不動産業界ですので、ダークに染まらず、クリーンなイメージを持たれるよう尽力していきたいと考えております。
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