筆界特定制度 IZUMAI通信 Vol.260

2023.11.26

筆界とは境界とは違い、当事者同士の合意で境界を決めるものでなく、登記された時にその土地の区画が定められた線であり、当事者で合意したからといって変更することができない線です。

 

 

土地の売買の時などに隣地の所有者と境界がどこなのかお互い確認し合って合意に至った線を境界として線を決めます。ですので、境界と筆界の線は、一致しないことも少なくありません。

 

 

この制度は、土地の所有者等の申請で筆界特定登記官と呼ばれる人が、外部の専門機関の筆界特定委員の意見を確認して、筆界を特定する制度です。

 

 

境界の線で合意に至らなかった場合に、この制度を使って元々の土地の線を確認します。ただ、この制度で筆界を確認できたとしても境界標を打つことはできませんし、相手側が納得できない場合は、訴訟になることもあります。

 

 

境界の確認を行う方法としてADRという裁判外の調停方法もありますが、これも当事者のどちらかが調停結果に納得しない場合は、手続きを進めることができません。

 

 

どれもこれも帯に短したすきに長しの制度で後腐れ無く解決することは簡単ではありません。

 

 

弊社のお客様が購入しようとしている土地の隣地が境界確認を拒否して売買取引がストップしてしまってます。この筆界特定制度を使おうか売主側と話し合っているところですが、筆界が確定するまでに6ヶ月から9ヶ月かかりますし、筆界確定しても訴えられたら、その努力も水の泡となってしまいますので結論を出せない状況です。

 

 

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