能登地震では、盛り土の崩落があちらこちらで発生し、被害を大きくした要因にもなったようです。
盛り土と言えば熱海の土砂災害を思い出す人が少なくないと思います。2021年7月に記録的な大雨によって静岡県の条例の基準の3倍を超える盛り土が崩落し、28人が犠牲になりました。
これ以降、盛り土規制法が施行され、危険な盛り土に対して自治体が躊躇なく行政処分を出し対処することが可能になりました。また都道府県や政令指定都市、中核都市が規制区域の指定や造成の許可を出せるようにもなりました。
ただ、現存している盛り土は、自治体側も把握できていないものが多数あるようです。役所の人手不足もあり細かく調査を行うこともできず、手付かず状態の自治体も少なくありません。
今回の能登地方に関しては、古くに開発・造成された住宅が多く、崩壊して初めて盛り土だったことが明らかになった場所もあるようです。
都市計画区域内での開発に許可制が導入されたのが1960年代で、能登地方で崩落した古い住宅はそれ以前に造成された盛り土が多かったようです。
排水機能が施されていない盛り土や排水機能が劣化してしまっていた盛り土などが多く、滑り易くなっていたようでもあります。
全国の行政で熱海の土砂災害以降、調査を盛り土の調査を進めているところかと思いますが、先述したように慢性的な人手不足の自治体では手が回らず後回しにされているところも少なくないようです。
こうした事態を改善するために一部の自治体では、盛り土110番を設けて、危険な盛り土に関する情報を市民から提供を受け、結果に結びつけている自治体もあります。
良いことは是非共有していただき、次の災害時にまた同じような被害を出さないようしっかり対応していただければと思います。
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