財産評価基本通達とは、国税庁が相続税・贈与税の計算において財産を評価する方法を細かく規定されている通達です。
相続税は、税額を計算する時には財産の評価を時価と規定されています。ただ時価の評価を行うことが難しい財産もあります。それが不動産であり、非上場株です。
不動産には様々な評価方法があり、時価と言われても何が時価なのか分からないケースが多いし、万人が同じ評価額を導き出すことは困難です。
非上場株も時価で評価することが難しい財産の筆頭格です。財産評価基本通達では、 非上場株の評価を似た上場企業の株価と比べる「類似業種比準方式」か会社の純資産に基づく「純資産価格方式」の2種類で決めており、原則会社の規模が大きければ「類似業種比準方式」で、会社の規模が小さければ「純資産価格方式」を用います。
会社の規模が中間だとこの2種類の評価方式を併用します。これをやると実際の株価と比べて大きく評価を減らすことができると問題視されていました。
時価と申告された財産の評価に大きな乖離があった場合、国税庁は総則6項というものを持ち出してくることがあります。総則6項とは、財産評価基本通達に規定されているものですが、以下のように規定されています。
この通達によって評価することが著しく不適当と認められる場合には、個別の事情に応じて評価することができる。
伝家の宝刀のごとく国税庁が振りかざしてくるとっておきの通達です。
不動産において記憶に新しいところで言えば、タワマン節税が挙げられます。
タワマンは固定資産税の評価によって相続税の評価額が決定されておりましたが、タワマンの下層階と上層階では実際に取引される金額が大きく違います。
固定資産評価額で相続税を計算すると1階でも50階でも同じ税額になり、あまりにも時価と乖離し過ぎているということでこの総則6項を使い追徴課税を課したことで裁判になり、結果最高裁まで持ち込まれ国が勝訴しました。これにより、タワマンをはじめマンションの区分所有の評価額方法が見直されました。
一方の非上場株については、実際の価値の1/10になるケースもあり、1/3程度は当たり前の状況にあるとのことです。総則6項の伝家の宝刀を振りかざすにも限りがあり、そこで国税庁が非上場株の評価方法を見直すことになったのです。
こうなると事業承継にも障害になることも出てくるのでは危惧されてもいます。事業承継においては、後継者が自社株承継の贈与税、相続税の納税猶予、免除になる事業承継税制がおりますが、生涯事業を継続しないといけない等条件が厳しいのでほとんど活用されていないようです。僅か3%という寂しいデータもあります。
もっと国全体が元気になって日本を復活させるダイナミックな政策を行なっていかないと この国は世界からどんどん取り残されてしまうのではないかと心配します。
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