今回は、日経新聞の記事にありました相続財産の中の不動産の評価についての判例に触れたいと思います。
相続を経験した人ならお分かりかと思いますが、相続財産の中の不動産の評価は路線価を基準に計算されるのが一般的です。
路線価とはその名の通り、道路の値段を言います。
単位は㎡あたりになります。
また路線価を決め発表するのは国税庁です。
おおよそ国土交通省から発表される公示地価の80%と考えられております。
相続税を計算する時は、相続財産の土地が接道している道路の路線価を確認して土地の面積を乗じると相続財産の評価が出ます。
実際はそんな単純なものでなく、土地の形状、奥行き、接道している長さ、周辺に高圧線が走っていないか、墓地がないか、線路の近くでないか・・・等の条件によって増減額されたりするのですが、ただその計算の基礎はあくまでも路線価であることには変わりません。
日経新聞に載ってました判例とは、この路線価による評価を否認した判決が出されたというものです。
その否認された不動産の種別はマンションでありまして、路線価を基礎として計算した結果で相続税額ゼロの申告に対して国税局が4倍の不動産鑑定評価で課税をしたことで争われたものです。
不動産を活用した節税は、以前からも手を変え品を変え色々な手法が編み出されていましたが、その度にその手法を潰すための税制変更が行われて来ました。
直近ですと、タワーマンションの固定資産税評価が階数に関係なく一律だったに目を付け節税対策で高層階を購入する富裕層が増えて来たということがあって、階数に応じた固定資産税評価に変更されたこともありました。
今回の判例も国の節税封じが背景としてあるようですが、元々法律上は相続財産の評価は時価によるとなっており、その補完として国税庁の通達によって路線価による評価を定めているものです。
ですので、原則は路線価による評価で相続財産の評価は行われるのが一般的ですが、例外もあり得るということが今回の判決で明確になった訳です。
今後も節税対策で別の手法が編み出されるかもしれませんが、またその手法に網の目をかけるような対策が取られ、常にいたちごっこの状態が続くことになるのでしょう。
タイミングよく恩恵を受ける場合もあるが、全く無意味だったという羽目になることもあると思いますのでご注意いただければと思います。
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