2015年に相続税の基礎控除が改正され、それ以前の60%に減ってからおよそ9年経ちました。改正前は、相続税を支払わなければならない相続案件は、全体の4%程度でしたが、昨今は9%前後と倍以上になってます。
東京都を中心に不動産の価格がここ数年高騰した影響と思われますが、それほど資産がないから特に相続税対策を考えていなかった普通の家庭においても自宅の評価のみで基礎控除を上回ることで相続税の支払対象になることも珍しくなくなっております。
よく言われている話しですが、日本は他国に比べると相続税が高く、金持ちは皆んな海外に資産を移しているというのは本当のことでしょうか?
事実でありますが、なかなか外国に資産を移しても課税を逃れるのは易しくないようです。相続税は、日本にある資産に対して課税されます。海外に資産を移してしまえば課税されないのかというとそんな単純な話しではなく、被相続人、相続人がともに海外に10年以上住み続けていないと相続税を課税されます。
なので亡くなる直前に慌てて海外に資産を移しても相続税の課税から逃れることはできないのです。
そもそも諸外国の相続税制に比べると日本の相続税はどうなんでしょうか?国外に避難しなければならない程、高いのでしょうか?
一言で申し上げると特出して高いということは、ありません。ただ、欧米各国に比べると資産額の多い人に優遇されているように見えなくもありません。
日本の相続税は、税率10%〜55%の累進課税制度となっています。上述したように日本では、基礎控除が2015年に現在の制度に変わり、相続税を納めなければならない相続人がそれ以前の倍以上となってます。
欧米各国の基礎控除は、日本より大きく、また配偶者に対する控除が高額になってます。結果、相続税を負担しなければならないケースは日本より少なく、資産の少ない層は課税されない場合が多いと感じます。
先だって、農地の相続税・贈与税を算出する際に用いる「宅地造成費」の数値に一部誤りがあり、過大に算出した納税額に対して減額更生などの該当者に連絡取っているとありましたが、他国のケースを見ると、こんな重箱の隅をつつくような課税までしなくてもいいのではと思わなくもありません。
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