よく一山いくらでどうですか?と言った軽い提案を受けることがありますが、ほとんどがただみたいな価格で兎に角処分したいがための提案が多かったと感じてました。
その山林の価格が上昇しているということです。背景にあるのは、環境に対する意識の変化と国内木材の需要の高まりのようです。
山は、維持管理に手間暇、コストがかかるため嫌悪されることが多いですが、地球温暖化が叫ばれる状況の中、二酸化炭素を吸収してくれる山林の存在は欠かせない存在だと言えます。
ただ放置しておくと日光が地面まで届かなくなり、植生が減り、地面が剥き出しになったり、木々が細長くもやしのような木となり、木材としての価値はほとんどない木に育ちます。
コロナ禍でウッドショックという建築資材である木材の供給量が激減したことで木材の価格が急騰したことがありました。現状は、需要が減ったことに加えて供給量が安定してきたので木材の価格は落ち着いてきました。
日本においてもウッドショックが大きな影響が出て建築業界を中心に混乱が広まり、国産の木材の自給率は2000年頃に一時2割を割りましたが、そこから少しづつ自給量が回復して現在では4割程度まで回復してきております。
国産の木材の需要が高まったことと、海外から供給が安定してきたことで木材の価格は落ち着いて来たかに思われましたが、ロシアによるウクライナ侵攻により、ロシア産の木材の輸入が制限されたことの影響もあり、再び価格上昇に転じてます。
一方、相続で山を所有する人も多く、一度も見に行ったこともなくどこにあるかも知らない相続人も結構いるようです。固定資産税の負担を重みに感じ逸早く処分したいと思っている人と、山を所有して自分の城のように使いたいと考えている人とマッチングすることで山林という資産の取引が増えているといった背景もあるようです。
ただ、山林は国土保全に欠かせない資産であることを忘れてはいけません。昨今、観測史上一番とか想定外の雨量となのフレーズを耳にすることが多くなりましたが、山林はしっかり保全しないで前段に書かせていただいたようなもやしのような木の森になってしまうと地面に溜め込める水量が少なくなり、土砂崩れを引き起こしかねなくなります。
実際、線状降水帯が現れた場所では山の斜面が崩れ大きな災害に繋がっているケースが増えて来ております。
先だってハワイで大きな山火事が起こり多くの方が犠牲になりました。間違いなく地球温暖化(グテーレス国連事務総長は地球沸騰と言っておりました)の影響であり、山火事は世界中で発生しているのです。
山火事が発生すれば、二酸化炭素が大量に発生し、二酸化炭素を吸収してくれていた植物を大量に焼失してしまうので、地球温暖化(沸騰化)が更にエスカレートする悪循環に陥ってしまうリスクがどんどん増してくる訳で一度発生した大山火事で噴出した二酸化炭素を回収するには相当な年月が必要になり、その間にまた別の山火事が発生すれば回収することは不可能になっていくと思います。
なので安易に個人の方が、ソロキャンプを行う目的地等で山林を所有するのは、山林を細らせ、山火事のリスクを高めるかもしれないので、あまりこの状況は歓迎できるものではないかと思います。
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